- 1. はじめに
- 2. 加害者のタイプ別・典型的なシチュエーション
- 【1】肉親・親族によるケース(家庭内性暴力)
- 【2】知人・友人・職場関係者によるケース
- 【3】見知らぬ人物によるケース(通り魔的犯行)
- 補足:痴漢被害の体験と対策
- まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
- 【ケースA】満員電車 被害者Wさん(18歳・高校生)
- 【ケースB】バス車内・座席横で 被害者Mさん(21歳・アルバイト)
- 【ケースC】エスカレーターでの接触 被害者Sさん(17歳・高校生)
- 【ケースD】ショッピングモール(混雑した場所で) 被害者Aさん(23歳・販売員)
- 【ケースE】コンビニや狭い店内の通路 被害者Fさん(19歳・大学生)
- 【ケースF】映画館・暗い場所での隣席 被害被害者Hさん(25歳・フリーター)
- 【ケースG】職場内での物理的接触を利用した痴漢行為 被害者Kさん(29歳・事務職)
- 【ケースH】夜道での声かけ・つきまとい被害 被害者Eさん(20歳・専門学生)
- 【ケースI】ライブ会場・クラブでの痴漢被害 被害者Jさん(22歳・大学生)
- 【ケースJ】学校での先輩による接触被害 被害者Lさん(16歳・高校生)
- ✅ 防犯行動チェックリスト(すぐ実践できる具体例)
- まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
- 3. 危険な兆候を見抜くためのポイント
- 4. 被害に遭いそうになったときの具体的な対処法
- 5. 護身用グッズ・防犯アプリの紹介
- 6. 万が一、被害に遭ってしまった場合は
- 7. おわりに
1. はじめに
どんなに注意していても、突然、予期せぬ形で危険は近づいてくることがあります。
「まさか自分が…」――そう思っていたのに、気づけば逃げられない状況になっていた。そんな事態は、誰にでも起こりうるものです。
このガイドは、あなたの大切な未来を守るために作りました。怖がらせるためではなく、もしもの時に「どうすればいいのか」を知り、冷静に行動できるようになるためのものです。
どうか、最後まで読んでください。あなたや、あなたの大切な人が安心して過ごせるための、確かな知識をお届けします。
2. 加害者のタイプ別・典型的なシチュエーション
性犯罪は、特別な場所や特定の状況だけで起こるものではありません。
私たちが「まさかこんなところで…」と思うような日常の中にも、その危険はひそんでいます。
この章では、加害者のタイプごとにどのような場所や状況で犯行が起こりやすいのか、そしてそのとき加害者はどんな心理で、どのような行動を取るのかを詳しく解説します。
危険を事前に察知し、できる限り距離を取るための“気づき”を得ること。
それが、自分の身を守るための第一歩です。
【1】肉親・親族によるケース(家庭内性暴力)
■加害者の心理状態
- 「家族だから何をしても許される」「これは愛情表現だ」と自己正当化。
- 被害者が訴えないことを知っているため、発覚リスクを軽視している。
- 支配欲が強く、被害者の反抗心を打ち砕きたいという歪んだ感情を持つことも。
■典型的な行動・犯行手順
- 長期的な心理的支配・コントロール
- 「言うことを聞けば優しくする」「秘密だよ」と言葉巧みに服従を強いる。
- 逆らうと怒鳴る、生活費を与えない、外出を制限するなどの抑圧行為。
- 機会をうかがう
- 他の家族が不在のタイミングを狙う。
- 夜間、被害者の部屋に忍び込む。
- 口止め工作
- 「誰にも言うな、言ったら家族が壊れる」など脅し文句。
- 小遣いや物で機嫌を取る「贈与と支配」の繰り返し。
■予防と察知ポイント
- 普段からプライバシーの侵害がないか(頻繁に部屋に入ってくる等)注意。
- 突然やたらと優しくなる、プレゼントを渡してくるのは注意信号。
- 誰にも相談できないと思い込まされていないか確認を。
“まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
【ケースA】叔父による性暴力被害(頻繁に家に出入りする親族) 被害者Xさん(13歳・中学生)
『親戚なんだから大丈夫』――そう思い込んでいたのは私だけでした。
母の弟である叔父は、昔からよく家に遊びに来ていました。両親も親しくしていて、私のことを「小さいころから知ってるんだから」と可愛がってくれていた人です。
ある日、両親が留守の間に叔父がふらっと家に立ち寄り、「暇なら一緒にゲームでもしよう」と声をかけてきました。特に警戒もせずに一緒にリビングで過ごしていると、急に「大人っぽくなったな」と言いながら、肩に手を回してきました。
戸惑っていると、手は次第に腰の方に下がり、「大人になるってこういうことだよ」と耳元で囁かれ、体を押し付けてきたのです。恐怖で固まっていると、玄関のチャイムが鳴り、叔父は何事もなかったように立ち去っていきました。
その後、母にすべてを打ち明けました。「あの人は昔から少し距離感がおかしいところがあった」と話してくれ、二度と家に入れないようにしてくれました。
この出来事から、「家族だから、親戚だから」という理由で安心しきってはいけないと痛感しました。嫌なことは必ず声に出して、誰かに相談してもいいのだと。
✅ このケースから学べる防止ポイント(叔父による被害)
・「親族だから安全」という思い込みは捨てる。
→ 家族同様に信頼されがちな存在でも、境界線を越えてくる場合は危険です。
・「個室に呼ばれる」「体に触れる」があれば必ず警戒する。
→ 特に「秘密の話をしよう」「大人の関係だよ」など、個室や密室に誘導する言動は要注意。
・「これは大人の秘密だよ」「誰にも言うな」は典型的な口止めの言葉。
→ こうした言葉を言われたときは、すぐにその場から離れる努力を。
・自分の嫌な気持ちは「はっきりと言葉にしていい」。
→ 「嫌だ」「やめてください」と言うのは、決して悪いことではありません。
・すぐに親や信頼できる大人に相談することが最優先。
→ たとえ言いにくくても、「怖かった」「嫌だった」だけでも伝えれば大丈夫です。
・物理的な距離を取る工夫をする。
→ 一人きりにならない、泊まりの際は家族と一緒の部屋にするなどの環境調整も有効です。
【ケースB】兄による性暴力被害(家庭内での支配と恐怖) 被害者Yさん(15歳・高校1年生)
優しいはずの兄が、一番怖い存在になっていきました。
両親は共働きで、兄と二人で過ごす時間が長くありました。最初は本当に優しい兄で、勉強を教えてくれたり、一緒にゲームをしてくれることもありました。
でも、中学生になった頃から、兄は時折私の体をじっと見るようになり、「最近、大人っぽくなったな」と言うようになりました。最初は冗談だと思っていました。
ある夜、リビングでテレビを見ているとき、隣に座った兄が急に手を握ってきて、「誰にも言わなければ、もっといいことを教えてやるよ」と耳元で囁いてきました。
必死に抵抗すると、「家族なのに冷たいな」「いいから黙って言うこと聞けよ」と腕を掴まれました。怖くてその場から逃げ出し、部屋に鍵をかけて震えながら夜を明かしました。
翌日、思い切って母に「お兄ちゃんが怖い」とだけ伝えると、涙が止まらなくなりました。母はすぐに話を聞いてくれて、兄と私の部屋を分け、二度と二人きりにならないようにしてくれました。
この出来事をきっかけに、「たとえ家族でも、自分の心が『怖い』と感じたら距離を置いていい」ことを強く学びました。
✅ このケースから学べる防止ポイント
年上の兄や家族でも、「イヤだ」と思ったらはっきり拒否していいのです。
部屋のドアに鍵を設置する、二人きりの状況を作らないように工夫するなどしましょう。
「誰にも言うな」「家族だろう」という言葉は、加害者の典型的なコントロール手法です。
少しでも不安を感じたら、必ず親や信頼できる大人に相談することが重要です。
【ケースC】義理の父親による性暴力被害(継父による家庭内支配) 被害者Kさん(14歳・中学生)
家族になったはずの人が、一番怖い存在になりました。
母が再婚してから、義父と一緒に暮らすようになりました。最初は優しく、「お父さんって呼んでいいんだよ」と笑顔で接してくれていました。
でも、母がいないときに態度が一変。「もう大人なんだから、こういうことも知っておくべきだよ」と言いながら体に触れてくるようになりました。
「嫌です」とはっきり言うと、「せっかく家族になったのに、そんな冷たいことを言うのか?」と怒り出し、家庭内での居場所がどんどん狭くなっていきました。
母に打ち明けようとしても、「また大げさなこと言って」と信じてもらえず、誰にも言えないまま耐えていました。
ある日、学校のカウンセラーに勇気を出して相談したことで、ようやく母にも本当の気持ちを伝えることができました。その後、母はすぐに離婚を決断し、私は安全な場所に移ることができました。
この経験から、「どんなに家族という形をしていても、自分が不快に感じることは拒否していい」と心から学びました。
✅ このケースから学べる防止ポイント(義理の家族による被害)
・「家族だから我慢しなければいけない」は間違い。
→ 義理の家族でも、いやなことは「イヤ」と伝えていい。
・「家族になったんだから」「もう大人だろう」は加害者がよく使う心理的圧力。
→ こうした言葉が出たら、すぐに距離を置くべき危険サイン。
・母親や周囲の大人が信じてくれない場合は、学校の先生・カウンセラーなど第三者に相談する。
→ 相談することは決して「家族を裏切ること」ではありません。自分の身を守るために必要な行動です。
・物理的な防御も有効。
→ 部屋の鍵を設置する、一人きりにならないようにするなど、安全確保を最優先に。
【ケースD】義兄による性暴力被害(母親の再婚相手の連れ子) 被害者Uさん(15歳・高校1年生)
新しい家族は“仲良くなれる存在”だと信じていました。
母の再婚で、新しく義父とその息子、つまり義兄と一緒に暮らすことになりました。義兄は3歳年上で、最初はとても優しく、学校のことや恋愛の相談にも乗ってくれる頼れる存在でした。
ところが、ある日突然、「もう家族なんだから、これくらい普通だよ」と言って、部屋に勝手に入ってきました。「冗談やめて」と言っても、「大人になるって、こういうことだよ」としつこく体を触ってきました。
必死に拒否すると、「お前がその気があると思ったからだよ」「大袈裟だな」と冷たく言い放ち、部屋を出ていきました。
その日から怖くて義兄を避けるようになり、母に必死で訴えました。母は真剣に話を聞いてくれ、義兄とは生活空間を完全に分け、私のプライバシーを守る環境を作ってくれました。
この経験から、「家族という形に縛られる必要はない」「イヤなことははっきり拒絶していい」と心から学びました。
✅ このケースから学べる防止ポイント(義兄による被害)
・「家族なんだから」「普通のことだよ」は危険な言葉。
→ これらは加害者が罪悪感を薄め、拒否しにくくするためによく使う典型的な言い訳です。
・年上や同年代でも、兄妹の立場を利用した“特別扱い”は要注意。
→ 「お前だけには特別に教えてあげる」「秘密だよ」は警戒すべきサインです。
・プライバシーを守る工夫をする。
→ 自室のドアに鍵をつける、着替えは必ず鍵のかかる場所で行う、部屋に勝手に入らせないようにする。
・「自分が悪かったのかも」と思わなくていい。
→ どんな言い方をされても、嫌なことを「嫌だ」と伝えるのは当然の権利です。
・不安や恐怖を感じたら、すぐに親や信頼できる大人に相談する。
→ たとえ家族内の問題でも、必ず助けを求めてよいことを忘れないでください。
【ケースE】義祖父による性暴力被害(再婚家庭での出来事) 被害者Mさん(13歳・中学生)
“おじいちゃんだから大丈夫”――そう思い込もうとしたけど、心はずっと怖がっていました。
母が再婚してから、義祖父も時々家に遊びに来るようになりました。高齢で優しそうな笑顔だったので、最初は「怖い存在」だなんて思ったことはありませんでした。
でも、ある日、母が出かけて家に私だけになったとき、義祖父がふらっと部屋に入ってきて、「最近、大人っぽくなったなぁ」と私の髪を撫でてきました。
その手は徐々に肩から腰へと下がり、「大人になる準備をしておかないとね」と妙なことを言いながら、体を密着させてきました。
私はとっさに部屋を飛び出し、鍵のかかるトイレに逃げ込みました。その後、母が帰ってきたときにすべてを泣きながら話しました。母はすぐに義祖父との関係を断ち切り、二度と家に入れないようにしてくれました。
この出来事から、「どんなに年長者でも、嫌なことは嫌と言っていい」と心から学びました。年齢や立場に関係なく、自分を守ることは悪いことではありません。
✅ このケースから学べる防止ポイント(義祖父による被害)
・「年配者だから安全」は間違い。どんなに高齢でも、境界を越えてくる人は危険。
・「大人になる準備」など、成長にかこつけた不適切な言動は見逃さない。
→ 年長者の言葉に含まれる違和感を見過ごさないこと。
・一人きりにならない工夫をする。
→ 来客時は必ず誰かがいる場所にいる、個室で二人きりにならない。
・「こんなことで騒いではいけない」と思わずに、すぐに誰かに相談する。
→ 自分の心が不快と感じた時点で、迷わず周囲に助けを求めること。
・家庭内でも安全なスペースを確保する。
→ 部屋に鍵をつける、逃げ込める場所を決めておく
【ケースF】父親による支配 被害者Fさん(15歳・中学生)
家の中が、一番安心できない場所になっていました。
母は仕事で帰りが遅く、夜はいつも私と父の二人きり。最初はただ「お父さん」として優しくしてくれるだけでした。でも、ある日突然、部屋に入ってきて「一緒に寝よう」とベッドに入ってきたのです。
「嫌だ」と言っても、「家族なんだからいいだろう」と耳を貸してくれませんでした。
次第に、「このことは誰にも言うな。お母さんには内緒だぞ」「もし話したら家族がバラバラになる」と脅すようになり、何も言えなくなりました。
学校でも明るく振る舞うことで精一杯で、心の中では「どうしてこんな目に遭わなくてはいけないの?」と毎晩泣いていました。
ある日、保健室の先生が「何かあったら、いつでも話してね」と声をかけてくれたことで、ようやく勇気を出して相談できました。それから、母にもすべてを打ち明け、ようやく父と離れることができました。
今思えば、「誰にも言えない」は加害者の作り出す“ウソの世界”だったと痛感しています。
✅ 家庭内性暴力に対する防止・回避ポイント
-
「家族だから大丈夫」は通用しない。どんなに身近な相手でも、嫌なことは「嫌」とはっきり言う権利がある。
-
「誰にも言うな」と言われたときは、必ず信頼できる大人(先生、友人の親など)に相談を。
-
部屋の鍵があれば必ずかける。プライバシーの侵害に敏感になる。
-
「家族が壊れる」と脅された場合でも、自分を守ることが最優先。家族は大人が責任を持つ問題。
【2】知人・友人・職場関係者によるケース
■加害者の心理状態
- 「好意があるはず」「酔わせれば受け入れるだろう」という思い込み。
- 「これくらいのことはみんなやっている」と罪悪感の欠如。
- 拒否されても「本気ではない」「冗談だろう」と軽く考える。
■典型的な行動・犯行手順
- 事前の布石
- 飲み物を何度も勧める(アルコール・薬物を使う場合も)。
- 会話の中で「彼氏いるの?」「家はどこ?」などプライベート情報を引き出す。
- 孤立させる誘導
- 「みんなもう帰ったよ」「少し話そう」と2人きりになろうとする。
- 「終電なくなっちゃったね、泊まっていけば?」と自然に密室へ誘う。
- 犯行直前
- 酔っている隙に体を触る、反応がなければさらにエスカレート。
- 抵抗されても「冗談だよ、そんなに怒るなよ」と笑いながらごまかす。
- 強引な手段に切り替え
- 拒否が強い場合、無理やり押し倒す、腕を掴んで離さない。
- 被害者が動けないよう物理的に抑え込む。
■予防と察知ポイント
- 飲み物を勝手に注文される、手渡される場合は警戒する。
- 「帰る」と言った際に不自然に引き止めようとする行動は危険信号。
- 普段は大人しい人が急に強気になる場合、酔ったふりをしていることも。
まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
【ケースA】知人による加害(飲み会の帰り道) 被害者Fさん(22歳・大学生)
まさか、あの先輩が――。信じて疑わなかったんです。
あの日はサークルの飲み会でした。お酒は控えていたのに、帰り道で「家まで送るよ」と言われて……。
帰り道、人通りの少ない裏道に差しかかると、急に腕を強く引かれて、「俺のこと、ちょっとは意識してたんじゃないの?」と耳元で囁かれました。怖くて拒否したんですが、「酔ってるだろ?ちょっとだけだから」と無理やり人気のない公園に連れていかれ、無理やりキスされました。
そのときは、恐怖で体が動かなくなり、頭の中が真っ白になりました。今思えば、「人気のない場所に行かない」「はっきり断る」ことができていれば…と後悔ばかりです。
【ケースB】職場上司による加害(出張先のホテル) 被害者Hさん(28歳・会社員)
頼りになる上司だと思っていたのに、あの一言で全てが崩れました。
出張先での仕事が終わり、「少しだけ飲みに行こう」と誘われました。そこまでは普通の会話だったんです。
ところがホテルに戻る直前、「もう少し話したいから、部屋に来ない?」と誘われ、軽い世間話のつもりで応じてしまいました。それが間違いでした。部屋に入るなり、「ずっと君のことが気になってた」と近づいてきて、無理やり抱きしめられました。
「やめてください」と言っても、「ここまで来て今さら断るの?」と笑われ、逃げ出せなくなりました。あのとき、「絶対に部屋には入らない」ことを徹底しておけば良かったと、今も思い返してしまいます。
【ケースC】同棲中の恋人によるDV(経済的・精神的支配) 被害者Jさん(26歳・会社員)
優しかった彼は、いつの間にか私を『所有物』のように扱うようになりました。
最初は本当に優しくて、「一緒に住もう」と言われたときも、幸せな未来しか考えていませんでした。でも、同棲を始めてから、彼は「誰と会った?」「何時に帰る?」と細かく問い詰めるようになりました。
ある日、私が友人と会って帰りが遅くなっただけで、「お前はもう俺の女なんだから勝手なことをするな」と怒鳴り、壁に拳を打ち付けました。
直接手をあげられたわけではないのに、私は怖くて謝ることしかできず、そのまま経済的にも精神的にも彼に依存するようになってしまいました。
今は、ようやく距離を置くことができましたが、「どんなに好きな人でも、自分の自由と安全を奪う相手は危険」だと強く実感しています。
【3】見知らぬ人物によるケース(通り魔的犯行)
■加害者の心理状態
- 「今なら誰にも見られていない」「逃げられないはず」という確信犯的行動。
- 衝動的、または長期間犯行の機会を伺っていた計画型も存在。
- 相手が弱そうに見える(小柄、イヤホン着用、スマホ操作中)と狙いやすい。
■典型的な行動・犯行手順
- 事前の観察
- 後をつける、進行方向を先回りするなどの動き。
- 電灯の切れた道や人気のない場所に誘導する。
- 接触のきっかけ作り
- 道を尋ねる、荷物を落としたと声をかけるなど親切を装う。
- 「寒くない?」「送ってあげようか」など世話を焼くふり。
- 強引な行動に出る
- 抵抗する間もなく腕を掴み、物陰や車内へ引き込む。
- 口を塞ぎ、大声を出せないようにする。
- 短時間で犯行を終わらせようとする
- 人が来そうになる前に終わらせ、すぐに立ち去る。
■予防と察知ポイント
- 見知らぬ人が不自然に周囲をうろついていないか。
- 後ろからの足音が近づいてくる場合は一旦立ち止まり、周囲を確認。
- 「車に乗って行かない?」は、即座に断る(どんなに親切そうでも警戒を)。
まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
【ケースA】見知らぬ男による加害(夜道のひとり歩き) 被害者Kさん(19歳・専門学生)
人通りのある道を選んでいたはずなのに……。
夜のアルバイト帰り。駅から家までの道は比較的明るく、人もいたはずでした。突然、後ろから肩を掴まれ、「ねえ、ちょっと道を教えてくれない?」と男に声をかけられました。
不審に思って無視して早足で歩き出すと、強引に腕を引かれ「無視するなよ」と言われました。怖くて大声を出すと、男は「うるせぇ!」と叫び、逃げて行きました。
このとき、防犯ブザーを持っていなかったことを強く後悔しました。あの瞬間、もっと大きな声で助けを求めていれば、周りの人もすぐに気付いてくれたはずです。
【ケースB】ネットで知り合った相手による加害(初めての対面で) 被害者Nさん(20歳・短大生)
画面越しの優しさに、すっかり安心していました。
SNSで半年ほどやり取りをしていた男性と、初めて会うことになりました。彼は「初対面だから、人が多いカフェで会おう」と提案してくれて、最初は本当に紳士的でした。
ところが、会話が盛り上がると「もっと静かな場所で話したいね」と言われ、つい「じゃあ場所を変えようか」と応じてしまいました。それから、「車で移動しよう」と誘われ、断りきれずに助手席に乗ってしまったのが最後。
人気のない場所に連れて行かれ、「今日だけは特別だよね?」と何度も体を触られ、強引に迫られました。怖くて泣いてしまった私に、「泣くほど嫌なら最初から断れよ」と吐き捨てるように言われたのを覚えています。
今思えば、「個室や車などの密室には絶対に行かない」「会うなら昼間の公共の場だけ」という鉄則を守るべきでした。
【ケースC】友人の紹介で会った相手による加害(合コン後の二次会) 被害者Oさん(24歳・派遣社員)
友人の紹介なら大丈夫、そう思い込んでしまっていました。
友人に誘われた合コンで出会った男性。明るくて感じの良い人で、友人も「いい人だよ」と太鼓判を押してくれていました。
その日の二次会はカラオケ。みんなで盛り上がっていたはずなのに、気付けばお酒を飲みすぎてしまい、意識が少し朦朧としていました。その隙に彼が「外の空気を吸いに行こう」と連れ出し、ホテル街に向かって歩き始めたのです。
「帰りたい」と言ったのに、「大丈夫だから」と腕を引かれ、ホテルに連れ込まれました。怖くて抵抗できず、結局そのまま無理やり関係を持たれてしまいました。
その後、友人に相談すると「彼、そんなことする人じゃないはずだけど」と取り合ってもらえず、二重に傷つきました。あのとき、「酔いすぎないこと」「その場で毅然と断る勇気」があれば、と今も悔やまれます。
補足:痴漢被害の体験と対策
まさか自分が…”――被害者たちが体験したリアルな危険
【ケースA】満員電車 被害者Wさん(18歳・高校生)
まさか、あんなに多くの人がいる中で……誰も助けてくれませんでした。
朝の通学ラッシュ。満員電車に揺られていたときのことです。急に背中のあたりに違和感を覚え、振り返ろうとしましたが、身動きが取れませんでした。
次第に手が背中から腰、そして太ももに移動し、スカートの中にまで……。
「やめてください!」と心の中で叫んでも、声が出ませんでした。涙が出そうになりながら、次の駅で必死に降りました。でも、加害者はサッと違う車両に移っていったのです。
その後、防犯アプリを入れて、「次は必ず録音する」「すぐに周囲に助けを求める勇気を持つ」と誓いました。
【ケースB】バス車内・座席横で 被害者Mさん(21歳・アルバイト)
座っていたはずなのに、隣から手が伸びてくるなんて……。
帰宅時、バスの座席に座っていたときのことです。隣に座った中年男性が、わざと身体をこちらに寄せてきて、肘掛けの隙間から手を滑り込ませてきました。
最初は偶然だと思い我慢していたのですが、次第に手が太ももに触れ、指先で撫でるような動きに変わりました。
耐えきれず、「やめてください」と言うと、「何を勘違いしてるんだ」と逆に睨まれ、誰も助けてくれませんでした。
その後、「座席に座る際は通路側に座る」「不快なことがあればすぐ運転手に知らせる」と行動を変えました。
【ケースC】エスカレーターでの接触 被害者Sさん(17歳・高校生)
エスカレーターは、いつも油断していました。
駅のエスカレーターで上がっていると、すぐ後ろにいた男性が不自然に体を密着させてきました。
最初は混雑しているから仕方ないと思っていたのですが、足元に違和感を感じて見ると、スカートの中にスマホのレンズが向けられていたのです。
とっさに振り返って「やめてください!」と叫びましたが、男はそのまま人ごみに紛れて逃げてしまいました。
それ以来、「エスカレーターでは後ろとの距離を取る」「できるだけ壁側に立つ」ようにしています。
【ケースD】ショッピングモール(混雑した場所で) 被害者Aさん(23歳・販売員)
人が多ければ大丈夫だと思っていました。
休日に友人とショッピングモールへ行ったときのこと。イベントスペースでの混雑の中、後ろから腰に手を当てるような感触がありました。
最初は誰かがぶつかっただけかと思いましたが、手はしばらく離れず、明らかに意図的に体を密着させてきていました。振り向くと、男性はすぐに顔を背けて立ち去ろうとしました。
その瞬間、友人が気づき、「警備員さんを呼んで!」と声をあげてくれたおかげで、男は捕まりました。
この経験から、「混雑していても安心しない」「不自然な接触には即座に距離を取る」ことを心がけています。
【ケースE】コンビニや狭い店内の通路 被害者Fさん(19歳・大学生)
狭い通路で、すれ違いざまに……。
コンビニの通路で商品を見ていたとき、背後から男性が通り過ぎる際に、わざと身体を押し付けてきました。
すれ違った直後に「すみません」とも言わず、こちらをじっと見ていたことで故意だと確信しました。
そのときは怖くて何も言えませんでしたが、今は、「不快に思ったら即座に距離を取る」「店員に相談する」ことが大切だと学びました。
【ケースF】映画館・暗い場所での隣席 被害被害者Hさん(25歳・フリーター)
隣に座った見知らぬ人が、映画の最中に……。
映画館で一人で映画を観ていたとき、隣に座った男性が上映中に手を伸ばしてきて、私の手に触れようとしてきました。
最初は偶然かと思いましたが、次第に太ももにも手が伸びてきて、恐怖で動けませんでした。
映画が終わるとすぐにその場を離れ、劇場スタッフに相談しました。それ以来、「一人で行くときは端の席を選ぶ」「異変があればすぐに席を移動する」ようにしています。
【ケースG】職場内での物理的接触を利用した痴漢行為 被害者Kさん(29歳・事務職)
通りすがりに、わざと肩や腰に手が触れる。
職場の狭い通路やコピー機の前で、特定の男性社員が通るたびに体を必要以上に近づけてきました。
肩や腰に手を添える動作を「自然なこと」と装っていましたが、あきらかに不自然で、体を触れる口実を探しているように感じました。
上司に相談したところ、同じ被害を受けていた同僚が複数いることがわかり、正式に問題として対処されました。
この経験から、「どんな小さな違和感も見過ごさない」「証拠を残す努力をする」ことが必要だと感じました。
【ケースH】夜道での声かけ・つきまとい被害 被害者Eさん(20歳・専門学生)
帰り道、誰かにずっとつけられていました。
アルバイトの帰り、家までの道で後ろから足音が近づいてきました。振り返ると見知らぬ男性がいて、「どこまで帰るの?送ってあげようか」と声をかけられました。
無視して早足で歩いても、男性は一定の距離を保ちながらついてきます。
家に近づくのが怖くなり、駅の明るいところまで戻り、防犯アプリで緊急通報を準備しました。その場で駅員さんに助けを求めると、男性はそのまま立ち去って行きました。
この経験から、「夜道ではイヤホンを外して周囲に注意を向ける」「帰宅ルートを一本化しない」ように心がけています。
【ケースI】ライブ会場・クラブでの痴漢被害 被害者Jさん(22歳・大学生)
音楽に夢中になっていたら、突然体を触られて……。
ライブ会場で前の方に行こうと人混みをかき分けていると、後ろから体を押し付けられるような感触がありました。
振り返ると知らない男性がすぐ背後にいて、腰を触られていたことに気づきました。
周囲は音楽で騒がしく、誰も異変に気づきません。私は大声で「やめてください!」と叫び、スタッフに通報しました。
この体験から、「人混みの中では体の前にカバンを持つ」「不審な行動にはすぐ反応する」ことの大切さを痛感しました。
【ケースJ】学校での先輩による接触被害 被害者Lさん(16歳・高校生)
先輩は味方だと信じていました。
放課後、部活の先輩から「教室で話がある」と呼び出されました。軽い相談かと思ったのに、教室のドアを閉めてから急に距離を詰められ、「前から気になってたんだ」と手を握られました。
怖くなってドアの方に逃げようとしたところ、「ここでは誰も来ないから」と笑われ、逃げられなくなりました。
必死に「帰らないといけない」と言い続け、なんとか逃げることができました。それ以来、「密室に二人きりにならない」「誰かに必ず行き先を伝える」ようにしています。
✅ 防犯行動チェックリスト(すぐ実践できる具体例)
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【外出時】夜道では明るく人通りの多い道を選ぶ
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【公共交通】混雑時は背後に注意、防犯ブザー・アプリを準備
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【密室】職場・学校・塾で個室に呼び出されたら断るか誰かに同行してもらう
-
【イベント】ライブやクラブでは体の前に荷物を持ち、不審な動きを感じたら即移動
-
【ネット】知り合った相手とは必ず昼間の公共の場で会う、車には絶対に乗らない
3. 危険な兆候を見抜くためのポイント
「はっきりとした危険は見えなくても、なんとなくイヤな感じがする」──この“直感”は、過去の膨大な体験から生まれる大切な自己防衛本能です。
これを無視せず、早めに距離を取ることで、多くの被害は未然に防げます。
■場面別に感じる違和感の具体例
【対面中】
- 相手の目線が必要以上に身体の特定部位に向いている。
- 距離感が近く、一歩下がってもまた詰めてくる。
- 冗談に見せかけてボディタッチが増える。
- 「怒ってるの?」「ノリ悪いな」など、断りにくくさせる圧を感じる。
【飲み会・会話中】
- しきりに飲み物を勧めてくる、飲んだ量を確認してくる。
- 個人情報(家はどこ?彼氏はいるの?)をしつこく聞き出そうとする。
- 「もう一軒行こう」「終電ないよね?」と誘導的な言葉が多い。
【街中・夜道】
- 後ろから一定の距離を保って誰かがついてきている。
- 進行方向に先回りしているような動きを見せる人がいる。
- 周囲に人気がなく、誰かが物陰に立っているのが見える。
- 不意に声をかけられ「警戒心を解かせようとする態度」が見える。
■身体が発するシグナル
- 心拍数が急に上がる、手に汗をかく。
- 「ここにいてはいけない」と強い不安感に襲われる。
- 無意識にスマホや護身具に手が伸びる。
【違和感を感じたときの即時行動】
-
- 場の空気よりも「自分の安全」を最優先にする。
- 人通りの多い場所や店に避難する。
- 近くの友人や家族に電話をかけ、通話しながら移動する。
- 防犯ブザーを準備し、必要であれば迷わず使用する。
4. 被害に遭いそうになったときの具体的な対処法
「怖い」「どうしよう」――そんな場面で、私たちは頭が真っ白になってしまうことがあります。
でも、大丈夫。たとえ突然の危険に直面しても、できることはたくさんあります。この章では、その場から逃れるために、今すぐ使える具体的な行動をご紹介します。
大切なのは、「助かるために、できることを一つでも試す」こと。たとえすぐに逃げられなくても、あきらめずに行動を続けてください。あなたの安全が何よりも大切です。
■【1. とにかく大きな声を出す】
-
恥ずかしいなんて思わなくて大丈夫。
-
「助けて!」が言いにくいときは、「火事だ!」と叫ぶのも効果的。人は火事に強く反応し、周囲の注意を引きやすくなります。
-
声が出せないほど怖いときは、物を叩いて音を立てるだけでも構いません。
■【2. とにかく“逃げること”を最優先に】
-
相手を倒そうとせず、**「今はとにかく距離を取ること」**だけを考えましょう。
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腕を掴まれたら、力任せに引っ張るのではなく、手首を相手の親指の方向にひねって抜くと外れやすいです。
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靴を脱いででも走れるなら、そのまま走ってください。安全な場所(コンビニや人のいるカフェ、明るい場所)にすぐ逃げ込みましょう。
■【3. 身近なものを使って“抵抗の意思”を示す】
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バッグや傘、ヒールの靴、スマホ――どんなものでも構いません。相手から一瞬でも距離を取るために、使えるものは何でも使いましょう。
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急所(目・鼻・喉・股間)を狙うのは有効ですが、無理に戦おうとしなくても大丈夫です。
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大事なのは、「抵抗している」という意思をはっきり示すこと。それだけで犯行を諦めるケースもあります。
■【4. 110番通報や防犯アプリの緊急機能を活用する】
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スマホはロック画面からでも緊急通報ができる設定にしておくと安心です。
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防犯アプリを事前にインストールし、ワンタップで通報できるようにしておきましょう。
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逃げた先では、必ず誰かに「助けてください!」と声をかけ、すぐに警察に連絡しましょう。
どんな状況でも、あなたの命と心が一番大切です。無理に強くあろうとしなくても大丈夫。
「怖かった」「どうしたらよいかわからなかった」――そう感じるのは当然のことです。
できることを、ひとつずつ。それだけで、きっと未来は変わります。
5. 護身用グッズ・防犯アプリの紹介
被害を未然に防ぐためには「いざという時に使えるものを持っておくこと」が大きな安心に繋がります。
ここでは、手軽に持てて実用的な護身グッズや、防犯アプリを紹介します。
■【携帯しやすい護身グッズ】
防犯ブザー(大音量タイプ)
- 【特徴】小型・軽量で持ち運びやすく、120dB以上の大音量で周囲に危険を知らせる。
- 【使用場面】夜道、不審者に追われた時など。
- 【注意点】すぐに取り出せる場所(バッグの外側やポケット)に装着する。
催涙スプレー(OCガススプレー)
- 【特徴】一瞬で相手の視界と行動を奪う。
- 【使用場面】至近距離で襲われそうになった時。
- 【注意点】風向きに注意し、自分にかからないように使用。
カギ型スタンガン・ペン型防犯ツール
- 【特徴】一見すると普通の鍵やペンに見えるが、緊急時に防御・反撃が可能。
- 【使用場面】バッグやポケットに忍ばせておくと安心。
- 【注意点】取り扱いには十分な注意と練習を。
■【スマホで使える防犯アプリ】
「CSPスマホ防犯ブザー」(iOS/Android対応)
- 【機能】スマホを振るだけで大音量アラームが鳴る。
- 【おすすめポイント】画面操作が不要なため、即座に発動可能。
「ココダヨ」
- 【機能】緊急時に家族や友人に位置情報を自動で送信。
- 【おすすめポイント】地震などの災害時にも対応しており、常時オンで安心。
「警視庁Digi Police」
- 【機能】防犯ブザー機能や犯罪発生情報の配信、防犯マップ機能。
- 【おすすめポイント】公的機関が提供する安心アプリ。
【防犯グッズ・アプリの活用ポイント】
- 護身グッズは**「使い慣れていること」**が重要。緊急時にすぐ使えるよう、日頃から簡単にシミュレーションしておく。
- スマホアプリは目立つ場所にアイコンを配置し、すぐ起動できる状態にする。
- 定期的にアプリのアップデートや動作確認を行う。
6. 万が一、被害に遭ってしまった場合は
どんな状況であっても、あなたは悪くありません。
どんな服装だったとしても、どんな場所にいたとしても、どんな行動をしていたとしても――被害に遭ったことは、決してあなたの責任ではありません。
苦しく、つらい気持ちの中で「どうしたらいいのかわからない」と思うことは当然です。どうか、今はまずご自身の心と体を守ることを最優先に考えてください。
■【すぐに取るべき行動】
安全な場所に避難する
- まずは、ご自身の身を安全な場所に置いてください。信頼できる人の家、コンビニやホテルのロビー、警察署など「安心できる場所」が最優先です。
信頼できる人に連絡する
- 一人で抱え込まないでください。家族、親しい友人、職場の信頼できる人など、話せそうな相手に連絡を。
- 「どう伝えたらいいかわからない」という場合は、「助けてほしい」と一言だけでも構いません。
証拠を保全するために、できるだけ体はそのままで
- つらいと思いますが、シャワーやお風呂に入る前に、警察や病院に連絡しましょう。
- 着ていた服はそのままの状態で保管し、メイクや洗顔も控えてください。
- この行動は、後々の法的手続きでとても重要な証拠になります。
■【支援してくれる専門機関】
ひとりで悩む必要はありません。心と体のケアを受けながら、必要なサポートを受けることができます。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
- 【全国共通短縮番号】#8891(はやくワンストップ)
- 24時間対応している地域もあります。医療・法的支援・カウンセリングまで一括して相談できます。
- 警察への連絡
- 緊急時はすぐに110番通報を。
- 警察署の「性犯罪担当窓口」も相談先として利用できます。
- 心のケアをしたいときは…
- 【いのちの電話】0570-783-556
- 【よりそいホットライン】0120-279-338
■【心の傷は必ず癒せます】
「もう普通の生活には戻れない」と感じることがあるかもしれません。でも、時間をかけて、ゆっくりと回復していけます。
あなたは一人ではありません。
この痛みを理解し、寄り添い、支えてくれる人たちが必ずいます。どうか、ご自身のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。
今は、無理に頑張る必要はありません。休みたいときは、心ゆくまで休んでください。
7. おわりに
最後に、もう一度お伝えします。
どんな状況でも、どんな理由があっても、被害に遭ったあなたが悪いことは絶対にありません。心の痛みはすぐには癒えないかもしれませんが、必ず少しずつ和らいでいきます。
苦しいときは、無理に前を向こうとしなくても大丈夫です。休むこと、泣くこと、誰かに頼ること、どれも「前に進むための大切な一歩」です。
どうか、自分を責めずに、あなたの心が穏やかさを取り戻せる日が来ることを信じてください。
あなたは一人ではありません。いつでも助けを求めていいのです。