近年、現金レスの波が加速しており、電子決済が我々の生活に深く浸透してきました。中でも、PayPayは多くの人たちに利用される主要なサービスとなっています。
しかし、便利な一方で、どのような利点や欠点があるのでしょうか?
この記事ではPayPayを中心に、現金払いと電子決済の比較から、セキュリティ対策、そして最も適切な決済方法について解説していきます。
情報が溢れる現代、正しい知識を装備して、安全かつ効率的に電子決済を活用していきましょう。
現金払いと電子決済の比較
PayPayを主な決済方法として推奨するのは難しいですが、一番すすめられないのは現金支払いといえます。
というのも、現金での支払いは、「ポイント還元がもらえない」「支出の追跡が難しい」など、デメリットが多いからです。
たとえば、還元率0.5%のPayPayと現金支払いとを見比べると、年間100万円支払った場合、現金での支払いだと5,000円の還元のチャンスを逃がします。
そのため、「PayPayを止めて現金に戻ろうか」と思っている方、もう一度考えてみましょう。PayPayを継続して使用する方が、結局お得といえます。
PayPay利用の4つの懸念点とその解決策
現金に比べればまだよいのですが、PayPayを主要な支払い手段として採用するのは推奨しづらいといえるでしょう。
なぜなら、以下のようにPayPayの利用を避けるべき4つの理由があるからです。
1.還元率: クレジットカードとの差
PayPayステップを利用していない場合、PayPayの還元率は0.5%となります。
楽天カードやPayPayカードのように、還元率1%以上で年会費が無料のクレジットカードと比較すると、PayPayはそれほどお得には感じません。
還元率1%のクレジットカードと、還元率0.5%のPayPayを対比すると、ポイントの還元には2倍の差が出ます。
確かにPayPayステップを利用すれば還元率を最大1.5%まで高めることができます。
しかし、PayPayやYahoo!JAPANのサービスを頻繁に使うことが条件となるため、実際のPayPayの還元率は0.5%と考えられます。
2.利用制限: 電波トラブル時のリスク
PayPayはネットが繋がらない場面での利用が難しいのがデメリットです。
災害や通信の不具合が生じた際、PayPayを使うことができなくなるリスクが考えられます。実際、2022年7月には、auの通信トラブルによりPayPayの利用に支障が出たことも報告されています。
PayPayを活用する際は、データ通信やWi-Fi接続が必須条件です。したがって、支払い手段をPayPayだけに依存するのは、予期せぬトラブル時に困る可能性があるため、ほかの決済方法との併用を検討するのが賢明です。
3.利用上限の課題と選択肢
PayPayでは、一定の利用金額制限が設けられています。具体的には、24時間で50万円、また過去30日間では200万円が上限となっています。
日常の買い物では50万円を超えることは少ないでしょうが、高価な商品の購入や旅行の手配など、大きな金額が動く際にPayPayの利用が難しくなる場合が考えられます。
たとえば、高額な家電を買ったり、旅行の手配をする際にPayPayの上限を超えてしまうと、やむを得ずクレジットカードなどほかの支払い方法を選択する必要が出てきます。
この点を念頭に、うまく決済方法を選択していくとよいでしょう。
4.無駄遣いのリスクと予防策
スマホ決済の便利さにより、買い物したあとに少ない手間で支払えるようになりました。
しかし、現金を手に取らなくなったことで、実際にどれだけお金を使っているかの感覚が鈍りがちではありませんか。そのため、思わぬ買い物をしてしまうこともあるでしょう。
便利な一方で、管理が甘くなると無駄遣いのリスクも高まります。特に、自分の支出管理に自信がない場合、PayPayやほかのスマホ決済を控えるのが賢明かもしれません。
また、新しい「PayPay後払い」というサービスも登場しました。これはクレジットのように後で支払うシステムで、金銭的に余裕がない時でも決済が可能となります。
しかし、請求を滞らせると、信用スコアにマイナスの影響を及ぼすリスクもあるので、注意が必要です。
このスコアは金融機関間で共有され、将来的に住宅ローンやクレジットカードの取得に影響する可能性もあります。後払いの際は、必ず期限内の支払いを心がけるよう注意しましょう。
PayPayへのクレジットカード登録の今後の見通し
PayPayでは、楽天カードなどを登録しておくことで、二重にポイントを獲得できる点が魅力でした。
しかし、将来的には「PayPayカード」「PayPayカード ゴールド」以外のクレジットカードの登録が制限される方針となっています。
しかし、「PayPayカード」や「PayPayカード ゴールド」なら、高いポイント還元を望むことも可能です。早めにPayPayカードを取得しておくのが賢明かもしれません。
PayPayのセキュリティ対策: 3つの要点
近年、スマホ決済の普及と共に、そのセキュリティが大きな関心を集めています。
PayPayも例外ではありません。利用者の安心・安全を確保するために、PayPayにはさまざまなセキュリティ対策が施されています。
ここでは、特に重要とされる3つのセキュリティ要点と、それぞれのリスク回避の方法について詳しく解説します。
1. スマホ紛失時のリスクと対策
スマホ決済の人気が高まり、スマホがまるで財布や通帳の代わりとなっています。
しかし、スマホをロックせずに失くした場合、どうなるでしょうか? あるいは、ロックが解除されてしまったら?
このような状況では、PayPayが不正に使用されるリスクが考えられます。 余分な支出が発生するだけでなく、残高が無断で送金される、または後払い機能が利用される危険性もあるでしょう。
したがって、スマホの管理には十分気を付けるよう努力しましょう。さらに、定期的にパスワードの変更や二段階認証の導入も検討するとよいでしょう。
2.QRコードの不正利用と防止方法
PayPayだけでなく、ほかの決済サービスにもいえることですが、QRコードが他者に撮影されると、無許可での決済が行われるリスクが考えられます。
QRコードを画面に映している最中に不注意になったり、他のことに気を取られたりすると、その瞬間にこっそりと撮影されてしまうことがあるのです。
最近、このような不正利用のケースが増加してきているので、QRコードの取り扱いには特に慎重になるよう心掛けましょう。また、不審な動きや人物には常に警戒心を持つことも大切です。
3.全額補償の内容と活用法
前章で、無許可での決済リスクについて触れましたが、もし不正利用による被害に遭遇した場合でも、PayPayなら心配は不要といえます。
なぜなら、PayPayでは全額が補償される制度が設けられているからです。
また、クレジットカードの情報をPayPayアプリに登録している方は、カード会社からの補償対策もあるかもしれません。
そのため、不正利用されるような状況になった際は、PayPayに連絡するのはもちろんですが、速やかにカード発行会社へも報告することが推奨されます。
PayPayでの不正利用を感じた場合の連絡先は、以下のサポートセンターです。
「PayPayカスタマーサポート:0120-990-634」
おすすめ決済方法: クレジットカードの利点
日々の支払いにおいて、PayPayよりもクレジットカードを主な決済手段として利用することを推奨します。
これは、2つの理由があります。
1つの理由は、1%以上の還元があるクレジットカードを使えば、PayPayを使うよりもさらに経済的になることです。
2つ目の理由は、クレジットカードの利用分は、自動的に口座から引き落とされることといえます。つまり、PayPayのように定期的にチャージする手間が不要なのです。
確かに、PayPayステップをフルに活用すれば、PayPayも魅力的といえます。しかし、それを毎月継続するのは難しいでしょう。
結論として、特別な理由でクレジットカードを持てない場合を除き、高い還元を期待するなら、クレジットカードを主な決済手段として利用する方がよいでしょう。
PayPayのメリット: キャンペーンやクーポンの活用術
今までの章では、PayPayの不利な点を主に取り上げました。
それならば、PayPayの活用意義はないのでは、と思うかもしれませんが、そうではありません。PayPayを全く使わないのは勿体ないといえます。
というのも、PayPayは、時折行われるキャンペーンや提供されるクーポンを上手く活用することで、大きなポイント還元を享受することができるという魅力があるからです。
これを考えると、日常の支払いは高還元のクレジットカードを中心にして、クーポンが利用できる時や特定のキャンペーン期間中はPayPayを選択するのが賢い使い方といえるでしょう。
まとめ:電子決済の活用と安全性のバランス
電子決済、特にPayPayは、日常生活での決済手段として非常に便利であり、多くの人々に利用されています。
特に、キャンペーンやクーポンの活用により、大きな還元を享受することも可能です。
しかし、その便利さと引き換えに、スマホの紛失やQRコードの不正利用など、セキュリティのリスクも伴います。そして、その対策としての全額補償など、安全に利用するための注意点が存在しました。
また、日常の支払いにおいては、高還元のクレジットカードとPayPayの使い分けが最も効果的です。
電子決済の利便性を享受する一方で、その安全性についても十分に理解し、適切に利用していきましょう。