新年の最初の日の出である「初日の出」は、昔から「ご来光(ごらいこう)」とまでいわれて拝められてきました。現代でも年の始まりの行事として、「初日の出」を見ることを大切にしているかたもたくさんいます。
絶景のなかに昇ってくる初日の出はまた格別です。新年のスタートにふさわしい感動が期待できることでしょう。
そこでこの記事では、初日の出におすすめの、全国絶景スポットを紹介します。
今回は<北海道編>です。
太平洋とオホーツク海を望む絶景の初日の出スポットが数多く存在する北海道。ぜひ、行ってみたいものです。
【北海道の初日の出】おすすめ絶景スポット10選
宗谷岬(そうやみさき)/稚内市(わっかないし)
日本最北端である宗谷岬では、初日の出イベントとして1988年(昭和63年)の元旦から、毎年「初日の出inてっぺん」が開催されています。
壮大な花火が打ち上げられて、かがり火が焚かれ(たかれ)、訪れた人々には記念品が贈られたイベントです。
ただ、コロナ禍の拡大する状況のために当イベントが中止になる可能性があります。お出かけの際はホームページなどで確認してくださいね。
能取岬(のとろみさき)/網走市(あばしりし)
能取岬は高さ50メートルにも及ぶ断崖となってオホーツク海に突き出ている岬です。
そこから知床連山を背景にして、流氷に陽光をきらめかせながら昇って来る初日の出の眺め(ながめ)は圧巻のひと言でしょう。
初日の出に心ゆくまで感動したあとは、流氷観光砕氷船「オーロラ」で流氷の観光を楽しむのもいいですね。
*ちょっと寄り道 「流氷観光砕氷船オーロラ」とは
「オーロラ」は南極観測船「しらせ」と同じように船の重さを使って氷塊を砕いていく方式をとっています。そのためミニチュア版「しらせ」ともいわれているんですね。
平成7年からは「オーロラ2」の運用も開始されています。
美幌峠(びほろとうげ)展望台/美幌町・弟子屈(てしかが)町
美幌峠の展望台は、標高525メートルの屈斜路カルデラの外輪山に位置していて、知床連峰までも見渡すことができます。
その展望台の眼下には屈斜路湖があり、気象条件によっては湖を覆う(おおう)ように大雲海が立ちのぼるのです。
この壮大な景観を背景にしてた初日の出の眺めは雄大としか表現できません。
国道243号線沿いの「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」では、元旦の朝にレストハウスを開放し、「美幌峠初日の出フェスティバル」を開催しています。
多和平(たわだいら)展望台/川上郡標茶(しべちゃ)町
多和平展望台からは、釧路(くしろ)湿原の北部に位置する根釧(こんせん)原野を360度見渡せる大パノラマを眺めることができます。
日本一の面積を誇る町営牧場の中にあるこの展望台は、最近人気が高まっている日の出スポットなのです。
毎年、標茶町観光協会が主催する「初日の出を見る会」が開かれており、参加者にはホット牛乳が無料で提供されています。
納沙布(のさっぷ)岬/根室市
日本最東端である納沙布岬は、一般人が普通に行ける場所としては日本で2番目に早く初日の出を見られる場所です。
根室市の観光協会では、「納沙布岬初日詣」を毎年開催し、初日の出を見に訪れる人々に記念品などを配布してくれるのです。
ただ最近はコロナ禍の影響が色濃くなって来ているため、催しの規模は縮小される傾向にあるようですね。
ちなみに、日本最東端なのになぜ2番目?と疑問に思うかもしれませんね。その答えは下の「ちょっと寄り道」で紹介していますので、参考にして下さい。
*ちょっと寄り道 日本最東端の納沙布岬が日本で1番早い初日の出ではない理由
日本で1番早く日の出を見られる日数は、納沙布岬が約310日間あり、1年のほとんどを占めています。ですが、元日の前後約55日間だけは、地軸の傾きの影響によって犬吠埼がわずかに早い日の出となってしまうのです。
ちなみにこれは、あくまでも普通の人が無理をせずに初日の出を見られる場所の話です。登山家まで含めるなら、日本で最も早く初日の出を見られる場所は「富士山頂」となります。
黒岳ロープウェイ/大雪山層雲峡
大雪山連峰の秀峰「黒岳」も、北海道の初日の出スポットの1つです。
黒岳までは、朝8時が始発になる「黒岳ロープウェイ」が営業されていて、5合目となる標高1,300メートルまで容易に訪れることができます。
そこから眺める初日の出は神秘的で、まさに絶景のひと言。でも朝の8時というと、朝日はとっくに昇っていますよね。
そのため元日の朝は特別に“初日の出運行”として、朝早くからの営業を開始しているんです。
その年によって運行開始時間には差がありますが、毎年ほぼ午前6時30分前後が始発となっています。
層雲峡は温泉街としても有名です。初日の出を眺めたあとはゆっくりと体を癒すというのも良いですよ。
襟裳(えりも)岬/幌泉郡えりも町
襟裳岬は北海道の南端に位置し、日高山脈襟裳国定公園の中にあります。
1年のほとんどが強風の吹いている地域ですので、体感温度はかなり下がります。
十分寒さ対策をして出かけましょう。
岬の崖の高さは60メートルもあり、そこから見渡せる広大な水平線から昇って来る初日の出はまた格別です。
岬の先端には真っ白な「襟裳岬灯台」が建っていて、航行する船の安全を見守っているんです。
地球岬/室蘭(むろらん)市
地球岬の展望台は約140メートルの断崖上に位置しています。
そこから見渡せる360度の水平線は地球が丸いということを改めて感じさせてくれるでしょう。
この絶景の中に昇って来る初日の出は、言葉に表せないほどの荘厳さです。
地球岬は日本の景勝地として、つねに上位に選ばれているスポットなのです。
展望台には有名な“幸福の鐘”も設置されています。
あなたが大切な人と一緒に初日の出を見たのなら、そのあとに2人で鐘を鳴らして幸せになりましょう。
※ 今まで毎年行われていた「初日の出歓迎実行委員会」によるイベントは、コロナ禍の影響により2021年(令和3年)からは行われておりませんので、注意が必要です。
五稜郭タワー/函館市
幕末の世、官軍と旧幕府軍が雌雄を決して戦った“函館戦争”の舞台、五稜郭。今は美しい公園に姿を変え、市民の憩いの場となっています。
その五稜郭公園にそびえ立つ五稜郭タワーでは、毎年、元日の朝は午前6時からの“初日の出営業”が実施されています。
タワーの展望台からは、函館の街並みの向こうに広がる津軽海峡から昇って来る素晴らしい初日の出を眺めることができるのです。
初日の出営業なんて、心憎い配慮ですね。
ただ残念なことに、やはりコロナ禍の影響のために初日の出営業は中止になる可能性があります。
行ってみようと思っている方は、実施の有無を五稜郭タワーへ確認してからお出かけ下さい。
藻岩山(もいわやま)展望台/札幌市
元旦の朝に特別運行されるロープウェイとケーブルカーを乗りついで藻岩山山頂にたどり着いたら、山頂展望台に向かいましょう。
標高531メートルの展望台に立つあなたは、札幌の街並みから石狩湾を望む絶景に息をのむかもしれません。
そして、地平線を赤く染めながら昇って来る初日の出は、温かい陽光で心地よくあなたの体を包みこんでくれるでしょう。
しかも藻岩山は、日本に100カ所以上ある「恋人の聖地」のひとつに認定されています。
山頂展望台にある“幸せの鐘”も、あなたを待っていることでしょう。
しかしやはり問題は、コロナ禍の影響です。
ロープウェイの元旦特別運行が実施されない可能性がありますので、お出かけの前には藻岩山の公式ホームページで情報を確認して下さいね。
おわりに
いかがでしょうか。
北海道には数多くの日本の絶景が存在し、そこから眺める初日の出は一生心に残る思い出になるかもしれません。
また“幸福の鐘”など恋人の聖地も存在し、大切な人と一緒に行くにも絶好の場所なのです。
北海道は日本の最北に位置していますので、寒さが尋常ではない地域も存在します。
ですので初日の出を見に出かける際にはあたたかい服装で出かけましょう。
素晴らしい初日の出を眺めて、気持ちよく新年のスタートをきりたいですね。