気に入った風景を写真に残して、あとで楽しむことを趣味にしている方はたくさんいるでしょう。しかし、なぜかいつも同じような写真になってしまうと悩んでいる方も多いのでは?
そこで今回は、風景写真を上手く撮るコツをわかりやすく紹介します。また、逆光を利用する方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
構図・アングル・奥行きで変化をつけよう!
ここでは、写真の構図とアングル、そして奥行きの表現についてのコツを紹介します。撮影の際に意識すれば、いつもの似通った風景写真から抜け出せますよ♪
3つの構図を生かす
以下に紹介する3つの構図を意識して、風景写真を撮りましょう。それぞれの構図の特徴を生かして、写真に変化をつけます 。
■横位置の構図
左右への広がりを表現した風景写真を撮りたいときに有効な構図です。また横位置の構図は、普段目にしている風景に近いため、見る人に安心感や安定感を感じさせる写真 になります。
■縦位置の構図
見た目の高さや奥行きを表現したいときに使いましょう。奥へと続く道や川すじを撮るときなどに有効な構図です。左右が切り取られているのでよけいなものが写り込まず 、道や川が奥へ続いていく様子を明確に表現した写真が撮れます。
カメラを縦に構える時は、グリップをもった右手を上にして、左手でカメラまたはレンズを支えると安定します。
■三分割の構図
三分割の構図とは、水平線の上下を2:1、または1:2にした構図のことで、被写体を強調したいときに有効です。強調したいものが「2」になるように、水平線を合わせます 。
例えば、「海に突き出た半島と印象的な雲が浮かんだ空」を写す場合を考えてみましょう。半島と海を強調したいなら、フレームの上から1/3の位置に水平線を、雲と空を強調したいなら、上から2/3の位置に水平線を合わせます。
以上のように、構図を意識することは、ありきたりな風景写真を撮らないためにとても有効です。
2つのアングルを生かす
風景写真を常に目線の高さで撮ると、よくありがちな写真になってしまいます。それを避けるためにも、「ハイアングル」と「ローアングル」を生かしましょう。同じ風景でもまったく違って見えますよ。
■ハイアングルで撮る
広がりのある空間を表現したいなら、ハイアングルを利用しましょう。展望台や高台などに位置取りして、全体を見渡せるように「レンズをやや下に傾けて」写真を撮る のがコツです。
「アングル」とは角度を意味する言葉です。高い場所に位置取りしても、レンズに角度をつけずに目線の高さで撮ってしまうと、ハイアングルにはならないので注意してくださいね。
■ローアングルで撮る
被写体を大きく見せたいなら、低く構えてローアングルで写真を撮りましょう。地面スレスレにカメラを構えて、レンズを上向きに角度をつけて撮る のがコツです。レンズを広角にすると、ローアングルがより強調されるのでおすすめです。
また、ローアングルには、迫力や躍動感を演出できる効果 もあります。
奥行きを表現する
奥行きの表現には、先ほど説明した「縦位置の構図」と使うのも効果があります。しかし、遠景だけを撮った写真は、どうしても単調な写真になりがちです。それを避けるコツは、前景になるものをフレーム内に入れてみることです。遠景だけの風景が、グッと奥行きを表現したものに変化 します。
例えば、遠くの山を撮る場合に、花などをなめるようにフレームに入れて奥行きを表現します。花以外にも木の枝やガードレール、建物の一部など、いろいろと工夫してみるとよいでしょう。
マジックアワーを利用して感動を表現しよう!
マジックアワーとは、感動的な風景写真が撮れる、文字通り魔法の時間帯のことです。雲の量や形など、条件によって空の色が刻々と変化するのが特徴で、太陽の位置によって「ゴールデンアワー」と「ブルーアワー」に区別されます。プロの写真家も利用する、風景写真を撮るには欠かせない時間帯 です。
ゴールデンアワーとは
ゴールデンアワーとは、日の出後、または日没前の、約40分間の時間帯のことです。柔らかい光に満たされた空間と、赤みがかった空の色が特徴 です。
ブルーアワーとは
ブルーアワーとは、日の出前、または日没後から約40分間の時間帯のことです。条件によって、空の色が紫から青みがかった色まで変化するのが特徴 です。
マジックアワーの空の色が、実際どのように変化するかは、その日の条件次第です。1日として同じ様子の空はない ので、あなただけの感動の風景写真が撮れます。
逆光を利用して幻想的な写真を撮ろう!
逆光を利用すると、被写体の輪郭が輝くなどの幻想的な風景写真が撮れます。逆光の写真を撮る場合は、カメラの露出をプラスに補正するのがコツです。
プラスへ大きく補正すると、色味も変化した逆光ならではの写真が楽しめます 。いろいろと試して、お気に入りの補正値を見つけましょう。
ただし、フレームに入った太陽は、絶対に見ないように注意 してください。レンズを通してより強い光になっているため、視覚にダメージを負うリスクがあります。
まとめ
お気に入りの風景写真を見ながら思い出に浸るのは、とても楽しいものです。その写真がよく撮れているのなら、なおさらでしょう。
今回は、風景写真を撮るコツを紹介しました。すぐに実行できる簡単なものばかりですが、とても効果があります。このコツを生かして、お気に入りの風景写真を増やしていきましょう。