毎日、暑い日が続きますね。
エアコンで部屋を冷やして暑さをしのぐのも良いですが、時には窓をいっぱいに開けて風を取り込み、窓辺で揺れる風鈴が響かせる音色を聞いて涼を感じてみるというのはいかがでしょう。
風鈴は、作られている材質によってそれぞれ音色に特徴があります。
今回紹介する小田原風鈴は、小田原に古くから伝わる「砂張(さはり)」という合金によって作られているんです。
いったいどんな音色を響かせるのか、興味がわきませんか ♪
砂張(さはり)ってなに?
砂張とは、銅と錫(すず)でできた合金で、少量の銀と鉛も含まれています。
古くは中国で作られていて、日本には、奈良時代にはすでに伝わっていたとされています。
その砂張が1534年(天文3年)に小田原に伝わり、小田原鋳物として広く知られるようになったのです。
小田原風鈴は、その小田原鋳物の技術を存分にいかして作られています。
小田原風鈴ってこんなにあるの!?
小田原風鈴は、その材質によって2つに分けられています。
1つはもちろん砂張製の風鈴。そしてもう1つは真鍮製(しんちゅう)の風鈴です。
どちらも小田原鋳物の技術によって作られていることは変わりありません。
では、それぞれの風鈴をご紹介しましょう。
砂張製
- 「御殿風鈴」
りーーーーん、という涼やかな音色が長く耳に残ります。
余韻がとても長いのが特徴です。
外見(そとみ)は一般に知られる風鈴と似ていますが、金属を感じさせる光沢がとても目を引きます。
- 「提灯風鈴」
名前の通り、小田原提灯をかたどって作られています。
青銅を思わせる色が古びた感じをかもし出していて、お土産などに買う人が多いようです。
りーーん、りん、りーーん、と清らかな音を響かせてくれます。
真鍮製
- 「松虫風鈴」
全体に丸みを持った外見ですが、下の方に行くにしたがってすぼんでいて、底は麦わら帽子のつばのように、均一に広がっています。
ちーーーん、ちりりん、とその名のように松虫が鳴いているような音色を響かせるので、思わず秋の気配を感じてしまいそうです。
松虫風鈴も青銅色をしていて、ちょっと古びた雰囲気をかもし出しています。
- 「鈴虫風鈴」
こちらの外見は上から下までストレートなシルエットです。
りんりん、りんりーーーん、とその名の通り鈴虫を思わせる音を響かせますよ。
松虫風鈴と同じように、ちょっと古びた雰囲気を感じる外見になっています。
- 「釣鐘風鈴」
釣鐘にそっくりのデザインをされた外見をもつ風鈴です。
お寺の鐘のイメージのためか、ちりん、ちりーーーん、と、ちょっと高めで神聖さを感じる音を響かせます。
思わず手を合わせてお祈りしたくなってしまいそうです ♪
こちらも古びた青銅の鐘といった雰囲気を漂わせた外見になっていますよ。
- 「富士山風鈴」
もう、見るからに富士山!といえる外見の風鈴で、山頂からすそ野が広がっている感じです。
音色はほかの小田原風鈴に比べると余韻が短く感じられ、どちらかというとガラス風鈴の音色に似ています。
キラキラの金色に塗られたものと漆黒に塗られたものの二種類がありますが、音色はどちらも変わりありません。
どこで買えるの?
小田原風鈴専門店のオンラインショップで買うことができるのですが、楽天やAmazonなどでも買うことができます。
安いものでは2千円ほどでも売っていますが、5千円から8千円ほどで売られているものが多いですね。
ただ、中には1万円以上するような高価な製品も売られています。
また、小田原風鈴には箱根寄木細工の短冊が使われているものもあり、そちらは少し値段が高いですね。
じっくりと見比べて、お気に入りの風鈴を探すのも楽しいですよ。
日本の夏を風鈴で涼しみましょう。
昔の日本の暑い夏の日には、風の通る縁側に座り、うちわでパタパタと風をあおぎながら冷たい麦茶をゴクゴクと飲み、ふぅーっと一息をつく、そんな夕涼みを楽しむ人の姿が多く見られたかもしれません。
スイカやかき氷もあれば、もっと良いかも、です ♪
そばには蚊取り線香のけむりがゆれる蚊やりブタ。
そして忘れてはならないのが、軒先で涼しそうな音色を響かせている風鈴です。
風に吹かれた短冊がヒラヒラと揺れるたびに、りーーん、りりりーーーーんと音で涼を運んでくれる風鈴を見上げながら、パタパタとうちわをあおぎ、静かに暮れてゆく夏を想う。
そんな穏やかな夕暮れを、風鈴と一緒に味わってみませんか。