私たちが最も見慣れている風鈴といえば、ガラスで作られている風鈴ではないでしょうか。
ガラスで出来た本体の中に「舌(ぜつ)」と呼ばれる部品が有り、その下に短冊が吊り下げられている構造を思い浮かべる人が多いと思います。
今では多くの人に愛されている「ガラス風鈴」にも、お金持ちしか持てない時代も有りました。
このブログではそんな「ガラス風鈴」について、雑学的に考察してみたいと思います。
日本にはいつからガラスがあるの?
弥生時代にはすでにガラスがあった!?
日本には、すでに弥生時代の後期にはガラスの製法が伝わっていたようです。
弥生時代後期といえば、今から2000年も昔です。
でもその頃のガラス炉跡が日本で見つかっているんです。驚きですよね。
その頃に作られたとみられる勾玉などが、日本各地で発掘されているんです。
しかしガラスには割れやすいという欠点があるため、日常に使う実用品には向いていなかったのでしょう。
平安時代にはガラスにかわり陶器の生産が盛んになって行きます。
そして日本では、ガラスの製造は廃れていくことになるんです。
長崎から広まったガラス作り
日本で再びガラス製品が脚光をあびるようになったのは西暦1700年ごろ。日本では江戸の享保の時代です。
その頃、オランダからガラスの製法が長崎へと伝わりました。
ガラスはその珍しさから、江戸や京都、大阪などで見世物として興行されるほどだったといいます。
でも当時の日本には、もはやガラスの原料を作る技術はありませんでした。
ガラス製品を作るためには、高いお金を出して外国から原料を輸入するしかなかったのです。
ガラス風鈴、庶民の手へ
最初はとても高価だったガラス風鈴
ガラス風鈴が作られ始めた享保の時代、値段はなんと!1個200万円から300万円もしたそうです。
やはり原料の輸入代が高かったのでしょう。
このころに、江戸から長崎にガラスの製法を学びに来る人もいて、江戸に帰った後にガラス問屋を開くようになります。
当時はまだまだ高かったガラス製品ですが、このような流れの中で、少しずつ価格が下がっていくことになるのですね。
江戸末期から明治の世へ
ガラス風鈴が庶民にも手に入るようになったのは、明治時代もなかばに入ってからでした。
その頃の書物には、長屋の軒先にぶら下げられているガラス風鈴が描かれているのです。
庶民にもやっと、暑い夏の日に涼しげな風鈴の音色を楽しめる時代がやってきたのですね。
ガラス風鈴の音色の特色は?
ガラスのコップに冷えた氷を入れた時のような、カランカラン、という音が響きます。
お祭りの夜店などでよく聞く風鈴の音色ですね。
思わず、ゆかたを着てうちわをパタパタとあおぎながら、母親に手を引かれて歩いていた幼い日の祭りの夜を思い出したりするかも知れません。
とても懐かしい気持ちになる音色です。
ガラス風鈴ってどこで買えるの?
いろいろとガラス風鈴の事を知ると、実際にその涼しげな音色を聞きたくなって来ませんか。
でも、いざ買おうと思っても、どこで買ったら良いのか分からない、という人もいるかも知れません。
今の日本でガラス風鈴を買おうと思ったら、次の7つのところを考えれば、まずは間違いないでしょう。
- 百円ショップ
- 雑貨屋さん
- 大手のスーパー
- ホームセンター
- お土産屋さん
- 風鈴専門店
- ネット通販
安くても良いのでしたら、百円ショップでも手に入れることが出来ます。
また、ネット通販ならいろいろな製品を見比べることが出来ますので、とても便利ですよ。
値段は、百円ショップ以外では1000円から5000円ほどで売っているのが普通です。
また、ガラス風鈴は「江戸風鈴」というブランド名でも売られています。
気になる方は「江戸風鈴」で調べてみて下さいね。
あとがき
日本人にとって一番なじみのある音色を聞かせてくれる風鈴が、ガラス風鈴ではないでしょうか。
暑い夏の日も、ガラス風鈴の音色を聞けば心は涼み、懐かしい思いがあふれてくることでしょう。
日本人の心に根付いた音色を響かせてくれるガラス風鈴。
今年の夏は、ぜひあなたも手に入れてみてはいかがでしょうか。