ハイキングは、自然の中で体を動かす最高の方法の1つといえます。春の暖かな日差しと新緑、夏の澄んだ空と緑豊かな景色は、都市の喧騒から離れ、心身をリフレッシュさせてくれるでしょう。
今回は、関東近郊の美しいハイキングコースを厳選し、それぞれのコースの見どころや難易度、そして安全に楽しむための注意点を紹介します。
春から夏にかけての息をのむような景色と、心地よい汗を楽しみながら、素晴らしいハイキング体験を見つけましょう。
- 春夏のハイキングの魅力とは
- 関東近郊のおすすめハイキングコース:自然を感じる旅へ
- ハイキングに必要な装備を紹介
- 安全なハイキングのための注意点を紹介
- ハイキングを楽しむポイントを紹介
- おわりに
春夏のハイキングの魅力とは
春夏のハイキングは、日本の四季の中でも特に魅力的です。
春は新緑がまぶしく、花々が咲き乱れます。ハイキング中には桜やツツジなどの春の花を楽しむことができるでしょう。爽やかな暖かさも、快適なハイキングを約束してくれます。夏には、さらに活気づく自然の営みを、体中で感じることができるでしょう。
今回紹介するコースは、夏でも爽やかで過ごしやすい気候が保たれているため、ハイキングを楽しむには最適です。そのためにも、必要な装備をそろえて、安全にハイキングを楽しめる知識も知っておきましょう。
関東近郊のおすすめハイキングコース:自然を感じる旅へ
ここでは、関東近郊に位置する素敵なハイキングコースを9つ紹介します。見どころや難易度なども紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
横谷峡遊歩道(よこたにきょうゆうほどう)<長野県>蓼科高原に位置するコース
横谷峡遊歩道は長野県茅野市(ちのし)、蓼科高原(たてしなこうげん)に位置しています。この地域は八ヶ岳山麓にあり、豊かな自然に囲まれています。
見どころ
横谷峡は、豊かな自然を満喫しながら、マイナスイオンを豊富に含んだ空気を楽しむことができるスポットです。
また、春夏だけではなく、紅葉の名所としても知られています。紅葉は、毎年10月中旬から11月上旬にかけてが最も見頃です。
横谷峡には、おもに以下のような見どころがあります。
- 乙女滝(おとめだき):落差15mの滝で、たくさんのマイナスイオンに満ちています。霧のような水しぶきを浴びることもできますよ。
- 霧降の滝(きりふりのたき):平坦な坂道、または階段を降りたルートからアクセスできます。
- 屏風岩(びょうぶいわ)・氷瀑(ひょうばく):新緑の時期だけでなく、紅葉の時期や冬の氷の季節にも、素晴らしい景色が楽しめます。
- 一枚岩(いちまいいわ):川底が一枚の岩盤になっていて、独特の景観が楽しめます。
- 王滝(おうたき):二段に落ちる滝があり、素晴らしい景色が広がります。
- おしどり隠しの滝:王滝から歩いて行ける場所にあります。
コースの特徴や難易度
横谷峡内にはいくつかの滝があり、それぞれの滝を訪れるルートがあります。たとえば、乙女滝へは横谷温泉旅館から約5分です。また、滝の間を散策するコースもいくつか存在します。
一部のルートでは階段がありますが、コースは比較的平坦です。家族連れや初心者でも楽しめる散策コースといえるでしょう。
アクセス
■車の場合
- 東京方面から:諏訪南ICまたは茅野IC(中央自動車道)⇒国道152号線経由⇒横谷峡方面へ
- 名古屋方面から:岡谷IC(中央自動車道)⇒国道20号線と国道152号線を経由⇒横谷峡方面へ
■電車の場合
- JR茅野駅⇒バス⇒「横谷峡」バス停で下車⇒横谷峡遊歩道へ(タクシーの利用も可能)
注意:バスの運行スケジュールは季節や曜日によって異なる場合があるので、事前にチェックすることをおすすめします。
公式サイト:蓼科観光協会オフィシャルサイト
乗鞍岳(のりくらだけ)<岐阜県>北アルプスの剣ヶ峰を望むコース
乗鞍岳は岐阜県と長野県にまたがる美しい山で北アルプスの南端に位置し、標高3,026mの剣ヶ峰(けんがみね)を最高峰としています。
見どころ
乗鞍岳は、初心者から経験者まで幅広い登山者に楽しんでもらえる山です。
- 畳平(たたみだいら):恵比須岳の絶景が楽しめる場所です。広大な駐車場やバスターミナルが設置されています。
- お花畑:畳平近くに広がるお花畑は、高山植物の美しさを楽しめるスポットです。
- 剣ヶ峰(けんがみね):剣ヶ峰の山頂からは、周囲の壮大な山々や火山の特有の地形を一望できます。
- 高山植物:登山道には多種多様な高山植物が咲いており、その美しさを堪能できます。
コースの特徴や難易度
畳平から剣ヶ峰までは約2.6kmあり、片道約1時間35分の道のりです。登山道はよく整備されていて、難易度は比較的低いといえます。
畳平からスタートすると、舗装路から岩混じりの登山道に変わりますが、安全に歩けるよう整備されています。また、途中にある山小屋「肩ノ小屋(かたのこや)」を利用することで、より乗鞍高原を楽しむことができます。
アクセス
■車の場合
- 東京方面から: 岡谷JCT(中央道)⇒松本IC(長野自動車道)⇒国道158号線を経由して平湯温泉から高山方面へ(松本ICから約1時間15分)
- 名古屋・大阪方面から: 飛騨清見IC(東海北陸道)⇒高山IC(高山清見道路)⇒国道158号線を平湯温泉方面へ(高山ICから約45分)
■電車の場合
- 東京方面から: JR長野新幹線で長野駅まで約80分⇒JR篠ノ井線特急で約50分で松本駅⇒アルピコ交通上高地線で新島々駅まで約50分⇒新島々駅からアルピコ交通バスで乗鞍高原行きに約60分
- 名古屋・大阪方面から: 名古屋駅からJR中央線特急しなので松本駅まで約120分⇒松本駅からアルピコ交通上高地線で新島々駅まで約50分⇒新島々駅からアルピコ交通バスで乗鞍高原行きに約60分
■高速バスの場合
- 東京新宿から平湯温泉まで約5時間の直通バスあり
注意:乗鞍岳へのアクセスには、シャトルバス(乗鞍スカイライン)を利用する必要があります。このバスは「ほおのき平駐車場」または「平湯バスターミナル」から乗車可能です。
公式サイト:乗鞍岳 | 乗鞍スカイライン
伊吹山(いぶきやま)<岐阜県>日本百名山の散策コース
伊吹山は岐阜県と滋賀県にまたがる標高1,377メートルの山で、日本百名山の1つです。山頂からは360度のパノラマ風景が楽しめます。
見どころ
- 山頂からの絶景:伊吹山は周囲に高い山がないため、山頂からは琵琶湖や濃尾平野、それに近隣の山々を一望できます。
- 自然の美しさ:夏には「ゆうすげ」などの花が咲き、秋には紅葉が美しい山です。
- 文化的背景:日本武尊(やまとたけるのみこと)や松尾芭蕉など、歴史上の人物と関連があります。(伊吹山の神々は日本武尊を打ち負かしたとされ、松尾芭蕉は「おくのほそ道」で伊吹山を詠んでいます)
コースの特徴や難易度
伊吹山は豊かな自然に囲まれ、初心者から上級者まで幅広く楽しめる山です。
伊吹登山口から山頂までの標高差は約1,160メートルあり、所要時間は約6時間20分です。ただし、休憩時間や山頂での散策を含めると、約10時間は見たほうがよいでしょう。
アクセス
■車の場合
- 関ケ原IC(名神高速道路)⇒伊吹山入口へ(約10分)⇒スカイテラス駐車場(約30分)
■電車の場合
- JR関ケ原駅⇒名阪近鉄バス⇒伊吹山バス停下車(約50分)
公式サイト:伊吹山ドライブウェイ/ハイキングを楽しむ
那須高原(なすこうげん)<栃木県>四季の自然が楽しめるコース
那須高原は、栃木県那須郡那須町に位置し、東京から約3時間の距離にあります。
見どころ
- 自然の景観:四季折々の自然が楽しめ、春は新緑、秋は紅葉が美しい高原です。とくに八幡つつじ園地では、新緑の時期にピンク色のツツジが見頃を迎えます。
- 高山植物:春から夏にかけて、那須高原ではカタクリ、ショウジョウバカマ、レンゲツツジなどの美しい高山植物が見られます。
コースの特徴や難易度
那須高原で楽しめるハイキングコースは、おもに以下の3つです。それぞれの距離やかかる時間、特徴を紹介します。
■隠居倉・三斗小屋温泉コース
距離:4.7km
所要時間:約3時間15分
難易度:高
特徴:姥ヶ平から噴煙のあがる絶景が楽しめるコースです。
■三本槍岳・大峠・三斗小屋温泉コース
距離:9.2km
所要時間:約5時間45分
難易度:高
特徴:シャクナゲやリンドウの花が特に美しいコースです。
■清水平・北温泉コース
距離:9.0km
所要時間:約4時間50分
難易度:高
特徴:清水平や北温泉を通るコースです。
那須高原は、全体的に難易度の高いコースが多いですが、ゴンドラを利用して初心者でも楽しむことのできるのが特徴です。山頂からの美しい景色を楽しみましょう。
アクセス
■車の場合
- 東京方面から: 東京からは、東北自動車道を利用して那須ICまで行くルートが一般的です。距離は約153.3kmで、所要時間は約1時間48分となります。
- 宮城方面から: 仙台宮城ICから東北自動車道を利用して那須ICまで行きます。距離は約179.9kmで、所要時間は約1時間55分です。
- 新潟方面から: 新潟中央ICから磐越自動車道と東北自動車道を経由して那須ICまで行きます。距離は約209.0kmで、所要時間は約2時間40分です。
■電車の場合
- 東京方面から: 東京駅から新幹線「なすの」を利用して那須塩原駅まで約75分で行くことができます。
- 宮城方面から: 仙台駅から新幹線「やまびこ」を利用して那須塩原駅まで約75分です。
那須塩原駅からは、バスを利用して那須高原へアクセスすることができます。バスの所要時間は約50分です。
注意:那須高原での移動は、地域によってはバスよりもレンタカーが便利な場合があります。那須地域の公共交通は比較的少なく、観光地の一部はバスのルート外にあるため、複数のスポットを訪れる場合は、レンタカーを検討するのがおすすめです。
公式サイト:那須町観光協会/那須町観光ガイド
戦場ヶ原(せんじょうがはら)ハイキングコース<栃木県>奥日光の散策コース
戦場ヶ原は栃木県日光市中宮祠に位置し、奥日光の代表的な自然スポットです。自然豊かなエリアで、とくに美しい景観で知られています。
見どころ
- 自然の景観:戦場ヶ原には、男体山(なんたいさん)を背景に広がる湿原や、多様な植物が自生しています。とくに、6月中旬から8月上旬のワタスゲやホザキシモツケの花が見頃です。
- 展望ポイント:湿原を見渡せる展望ポイントが各所にあり、四季折々の自然を楽しむことができます。
戦場ヶ原は、その美しい自然が多くのハイカーを魅了する素敵なハイキングコースです。季節に応じた自然の変化を楽しみながら、リフレッシュするのに最適な場所といえるでしょう。
コースの特徴や難易度
コースは湯元温泉からスタートし、湯滝、泉門池、青木橋、戦場ヶ原展望台、赤沼分岐、石楠花橋を通り、竜頭滝で終わります。
約2時間半のハイキングコースですが、アップダウンが少なく、初心者や子ども、女性にもやさしいコースです。
アクセス
■車の場合
- 清滝IC(日光宇都宮道路)から約35分でアクセス可能です。
■電車の場合
- JR日光駅または東武日光駅⇒東武バス湯元温泉行き⇒「三本松」バス停下車(約65分)⇒戦場ヶ原展望台(徒歩1分)
または、「赤沼」バス停で下車すると、すぐにハイキングを開始できます。
公式サイト:日光市観光WEB/戦場ヶ原
高尾山<東京都>都心に近いハイキングコース
高尾山は、都心から約50キロメートルの東京都八王子市に位置しています。標高599メートルの低山ですが、その自然の豊かさとアクセスの良さで人気のハイキングスポットです。
高尾山には複数の登山コースがあり、それぞれの長さ、難易度、見どころが異なります。
見どころ
- 1号路:1200年の歴史を持つ高尾山薬王院を訪れることができ、途中の飲食店で地元の味を楽しむことも可能です。
- 3号路:樹木や野草が多く、自然観察に最適です。とくに紅葉の時期は美しい風景が広がります。
- 6号路:自然の中を歩くコースで、山の静けさと美しい景観を満喫できます。
いずれのコースも、都会の喧騒から離れた自然の中で、気持ちをリフレッシュできます。アクセスの良さと豊かな自然が魅力の高尾山は、ハイキングや自然観察に最適な場所といえるでしょう。
コースの特徴や難易度
■1号路(表参道コース)
全長:約3.8km
難易度:初級
登頂時間の目安:上り100分、下り90分
特徴:舗装された道で、ケーブルカーやリフトも利用できます。
■3号路(かつら林コース)
全長:約2.4km
難易度:中級
登頂時間の目安:約60分
特徴:自然豊かなコースで、静かな雰囲気で歩けるのが特徴です。
■6号路(びわ滝コース)
全長:約3.3km
登りの標準タイム:1時間40分
下りの標準タイム:1時間20分
特徴:飛び石のある場所と狭い場所があるため、十分に注意して楽しみましょう。
アクセス
■車の場合
- 都心からのアクセス: 八王子JCT(中央自動車道)⇒圏央道を南方面へ⇒高尾山IC⇒国道20号線(新宿方向に約5分)
高尾山周辺には複数の駐車場があります。とくに、八王子市営高尾山麓駐車場や京王高尾山温泉極楽湯駐車場は24時間営業です。
■バスの場合
- 京王バス:八王子駅、高尾駅入口、小仏から高尾山口駅までの路線があります。
■電車の場合
- 新宿駅からのアクセス: ほとんどの場合、京王線を使用します。京王線は運賃が安く、特急列車も運行しており、アクセスが便利です。また、JR中央線を利用して高尾駅まで行き、そこから京王電鉄に乗り換えるルートもあります。新宿駅では、東京メトロ丸の内線から京王線への乗り換えも可能です。
- 羽田空港からのアクセス: 羽田空港からは、京急線で品川駅へ行き、そこからJR山手線に乗り換えて新宿駅へ向かうのが一般的です。品川駅から東京駅に移動し、そこからJR中央線や京王線でアクセスする方法もあります。
公式サイト:高尾登山電鉄
奥多摩むかしみち<東京都>歴史の面影を感じるコース
奥多摩むかしみちは、東京都西多摩郡奥多摩町に位置し、JR奥多摩駅から奥多摩湖まで続く、約9kmの散策コースです。このコースは、自然に溶け込むようなのどかな集落や、2カ所の吊り橋から見る渓谷の美しさで知られています。
江戸時代の信仰を伝える道祖神や馬頭観音などがコース沿いに残されており、歴史の面影を感じるでしょう。
見どころ
- 廃線跡:奥多摩むかしみちには、廃線跡があり、歴史を感じさせる風景が広がります。自然に溶け込んだ美しいトンネルや橋梁など、緑豊かな森の中を抜けるその風景はハイキングや写真撮影に最適です。
- 白髭神社(しらひげじんじゃ):「白髭神社」は、奥多摩の自然に囲まれた神秘的な雰囲気を持ち、大きな岩に自然にできた龍の形をした白髭が特徴です。参拝者に穏やかな心の安らぎを提供するパワースポットとしても知られています。
- いろは楓の紅葉:奥多摩むかし道が楽しめるのは、春夏だけではありません。とくに「いろは楓の紅葉」は、秋シーズンに鮮やかな赤や黄色に染まる木々が幻想的な風景を生み出し、訪れる人々を魅了します。
- 惣岳渓谷(そうがくけいこく):「惣岳渓谷」は、清流と豊かな緑に囲まれた自然豊かな渓谷です。四季折々の美しい景色と、心地よい川のせせらぎが訪れる人々を癒やします。
- しだくら橋:「しだくら橋」は、奥多摩むかしみちにある美しい吊り橋で、周囲の豊かな自然と調和し、渓谷の壮大な景色を一望できる素晴らしいスポットです。この橋からの景色はとくに印象的で、絶景を楽しむことができます。
奥多摩むかしみちは、歴史と自然が融合した美しい散策コースです。自然に囲まれながら、心地よいハイキングが楽しめます。
コースの特徴や難易度
コースは全長約9kmあり、約5時間あれば散策ができます。難易度は比較的低く、初心者でも楽しめるコースです。
アクセス
■車の場合
- 東京方面から:中央自動車道八王子ジャンクション⇒圏央道日の出インターチェンジ経由⇒国道411号線を奥多摩町方面へ
- 埼玉方面から:圏央道青梅インターチェンジ⇒青梅街道⇒奥多摩町へ
■電車の場合
- 東京方面から:中央線立川駅で青梅線に乗り換え⇒青梅駅で奥多摩行きに乗り換え⇒奥多摩駅で下車
- 横浜方面から:横浜線八王子駅で八高線に乗り換え⇒拝島駅で青梅線に乗り換え⇒青梅で奥多摩行きに乗り換え
- 川崎方面から:南武線立川駅で青梅線に乗り換え⇒青梅駅で奥多摩行きに乗り換え
公式サイト:奥多摩観光協会/ハイキング・ウォーキング
宝登山(ほどさん)<埼玉県>自然に囲まれたコース
宝登山は埼玉県秩父郡長瀞町に位置する標高497.1mの山です。ロープウェイを利用して気軽に山頂まで行くことができます。初心者から経験者まで幅広く楽しめる山です。
見どころ
宝登山では、四季折々の花や自然が楽しめます。山頂近くには小さな動物公園もあります。また、近くには温泉施設もあるので、ハイキング後にゆっくりと湯に浸かって疲れを癒すのもよいでしょう。
長瀞駅周辺の飲食店で美味しい食事ができるのも、宝登山ハイキングのあとの楽しみの1つです。
コースの特徴や難易度
宝登山には、おもに4つのハイキングコースがあります。初心者や子連れでも十分に楽しめるような、比較的難易度の低いコースもあるのが特徴です。
- 長瀞駅(ながとろえき)からのコース:約15分のコースです。初心者や小さな子ども向けの軽めのコースといえるでしょう。
- 上長瀞駅からのコース:約1時間15分かかるコースです。自然を間近に感じることができます。
- 宝登山神社からのコース:約50分のコースです。未舗装路ですが、整備されますので安心してハイキングを楽しめます。
- 野上駅(のがみえき)からのロングコース:約2時間30分かかる、最も長いコースです。長瀞アルプス経由で宝登山山頂をめざします。
アクセス
■車の場合
- 関越自動車道の花園インターチェンジ⇒そこから約20キロ
- 秩父市上野からR299を経由⇒約13キロ
駐車場は宝登山麓駐車場を利用できます。普通乗用車の場合、1日500円です(2023年現在)。駐車場からロープウェイ山麓駅までは、徒歩で約3分かかります。
■電車の場合
- 秩父鉄道長瀞駅⇒宝登山(徒歩約20分)
- 秩父鉄道長瀞駅⇒無料シャトルバス(宝登山ロープウェイの山麓駅まで)
注意:無料シャトルバスの運行日については宝登山ロープウェイの公式情報を確認することをおすすめします。
公式サイト:宝登山ロープウェイ公式サイト
鋸山(のこぎりやま)<千葉県>初心者から上級者まで楽しめるコース
鋸山は千葉県に位置する標高329mの山です。初心者から楽しめる登山コースがあります。さまざまな産業遺産を楽しめるコースも整備されていて、鋸山の代表的な見どころを短時間でまわることが可能です。
見どころ
- 地獄のぞき:「地獄のぞき」は、鋭い岩肌が連なる鋸山の山頂にある、スリル満点の展望台です。この展望台からは、まるで空中に浮いているかのような景色を楽しむことができます。
- 百尺観音:「百尺観音」は、昭和41年に6年の歳月をかけて完成した巨大な磨崖仏で、高さは100尺(約30メートル)に達します。鋸山の山頂近くに位置しており、鋸山全体が境内となっている日本寺の一部です。
- 千五百羅漢:「千五百羅漢」は、江戸時代後期に奉納された1553体の石仏群です。これらの石仏は、1779年から1798年の約21年間にわたって、大野甚五郎英令(おおのじんごろうひでのり)と27人の門弟によって作られました。それぞれにユニークな表情を持った石仏は、風食によってできた洞窟に安置されています。
- 日本寺大仏:鋸山にある日本寺の大仏(薬師瑠璃光如来)は、高さ約31メートルで、日本最大の石造りの大仏です。この大仏は、もともと江戸時代に作られたあとに荒廃し、昭和時代に復元されています。
- ラピュタの壁:鋸山にある「ラピュタの壁」とは、石切り場跡にある約90mの垂直な壁のような崖のことです。この壁は、江戸末期からの房州石の採石によって形成されました。ジブリ映画『天空の城ラピュタ』の世界観を感じさせることから、ファンに人気のスポットです。
- 索道跡:鋸山の「索道跡」は、山頂の石切り場と麓を結んでいたワイヤーケーブル(索道)による石材運搬システムの跡です。この索道跡は、山麓に残されており、石材がトラックに積み込まれる終点の場所を示しています。
コースの特徴や難易度
鋸山のハイキングコースは、初心者から経験者まで幅広く楽しむことができ、美しい自然と歴史的背景を感じることができます。
■地獄のぞきコース
- 距離:約1.85km
- 所要時間:約60分
- 難易度:初級
ロープウェイを使って下山可能です。「地獄のぞき」「百尺観音」「千五百羅漢」「日本寺大仏」などの見どころを楽しめます。
■産業遺産めぐりコース
- 距離:約2.6km
- 所要時間:約90分
- 難易度:中級
石切場跡や「車力道」などの見どころを楽しめます。コースにアップダウンがあるため、適度な装備が必要です。
■鋸山登山家コース
- 距離:約3.85km
- 所要時間:約150分
- 難易度:上級
数々の石切場跡や展望台での絶景を楽しめます。ただし、急こう配や長い行程があるため、十分な準備を必要とするコースです。
アクセス
■車の場合
- 東京湾アクアライン経由:東京湾アクアライン⇒富津館山道富津金谷IC(または鋸南保田IC)⇒国道127号を経由して鋸山へ
- 東関東自動車道経由:湾岸市川IC⇒東関東自動車道宮野木JCT⇒京葉道路⇒館山自動車道を経由⇒富津館山道富津金谷IC(または鋸南保田IC)⇒鋸山へ
- 京葉道路経由:原木IC⇒京葉道路⇒宮野木JCT⇒館山自動車道⇒富津館山道富津金谷IC(または鋸南保田IC)⇒鋸山へ
■電車の場合
- 東京駅から:JR京葉線快速・JR内房線快速・JR内房線を乗り継いで、JR浜金谷駅またはJR保田駅へ(約2時間)
・JR浜金谷駅から登山口(車力道コース・関東ふれあいの道)まで徒歩約10分、ロープウェー山麓駅まで徒歩約9分です。
・JR保田駅から日本寺表参道管理所(仁王門)まで徒歩約30分です。
■フェリーの場合
- 東京湾フェリー:久里浜港⇒金谷港(約40分)
・金谷港から登山口(車力道コース・関東ふれあいの道)まで徒歩約13分、ロープウェー山麓駅まで徒歩約13分です。
公式サイト:富津市/鋸山
ハイキングに必要な装備を紹介
ハイキングに適した装備リストは、出かける季節と環境に合わせて行うことが大切です。ここでは、春夏のハイキングに必要な基本装備と、天候に応じた装備を紹介していきます。
春夏のハイキングに適した服装と基本装備
■服装
ハイキングに出かけるときは、重ね着をするのが推奨されます。重ね着は、ベースレイヤー(アンダーウェア・肌着)、ミドルレイヤー(中間着)、シェルレイヤー(アウター)の3種類が基本です。
ベースレイヤーは、吸汗性や保温性が高い化繊の長袖が最適です。ミドルレイヤーにはフリースかインナーダウン、シェルレイヤーには適度なストレッチ性と保温性を持つソフトシェルがよいでしょう。
■靴
ハイキングに出かけるには、登山靴やトレッキングシューズが最適です。これにより、足元の保護とグリップ力が保たれ、快適な歩行をサポートしてくれます。
■リュック
リュックは、ハイキングに必要な装備を収納できる容量のものを選びましょう。また、通気性や背負い心地も重要なポイントです。
天候に応じた装備のアドバイス
快適で安全なハイキングを楽しむためにも、万が一に備えての用意をしておきましょう。そのためには、天候や季節に応じた装備が必要です。
■雨具
春夏の天候は、とても変わりやすいのが特徴です。そのため、突然の雨に備えてレインウェアを準備しておきましょう。レインウェアは、通気性と撥水性に優れたものがおすすめです。
■日焼け止め・リップクリーム
春夏は紫外線が強いため、日焼け止めとリップクリームでしっかり対策をするのがおすすめです。休憩時にも、こまめに塗り直すことがポイントといえます。
■ごみ袋
ハイキングでは、持ち込んだゴミは全て持ち帰るのが基本とされています。大きさの違うビニール袋を複数用意して、分別して持ち帰るのがおすすめです。帰宅してからの後始末がとても楽になります。
安全なハイキングのための注意点を紹介
ここでは、安全なハイキングを楽しむために大切なポイントを紹介していきます。
天気予報のチェック
ハイキングに出発する前には、必ず天気予報を確認して急な天候変化に備えましょう。雷雨などの悪天候が予想される場合には、計画を見直すことも重要です。
以下に、天気予報をチェックするのに最適な、無料で利用できるWEBサイトとアプリを紹介します。
■WEBサイト
- tenki.jp:日本気象協会公式のアプリで、体感温度や洗濯指数などの情報も提供。
- Yahoo!天気:時間ごとの詳細な天気予報と豊富な関連情報を提供。
- ウェザーニュース:気象のプロが24時間体制で最新の天気予報を配信。
- マピオン超ピンポイント天気:5分ごとの詳細な雨予報で、ゲリラ豪雨にも対応可能。
■アプリ(Android/iPhone)
- マピオン超ピンポイント天気 >>App Store>>google_logo Play
- 気象ライブ:美しいグラフィックとレーダー機能で雨や雷の動きを確認できる。>>App Store
- 天気ライブ – 地域の天気予報 >>google_logo Play
熱中症対策
春夏は、とくに気温が高くなるため、熱中症対策が必要です。十分な水分補給を心がけましょう。
さらに、涼しい服装を選び、こまめに休憩を取ることも、熱中症対策として効果的です。
野生動物との遭遇時の対処法
野生動物との遭遇は、予期せぬトラブルにつながる可能性があります。静かに行動し、動物を刺激しないよう注意が必要です。また、食べ物などを置いて行かないようにしましょう。
以下には、ハイキングで遭遇する可能性のある野生動物と、その対処法を紹介しています。
イノシシ
遭遇した場合は、動物が去るまで静かに待ちます。慌てて逃げたり大声を出すと、かえって興奮させる原因になる可能性があるため避けます。もしも攻撃された場合には、イノシシの鼻をねらって反撃すると効果的です。
クマ
クマに遭遇した場合は、静かに行動し、背を向けずに後ずさりします。これは、クマは背を向けて離れていくものを追いかける傾向があるのが理由です。状況によっては、攻撃を避けるために自分の首や肩を腕でガードし、強い意志を示すことも効果があります。
蛇
蛇に気付いたら慌てずに静かに立ち止まり、距離をとりましょう。蛇が去った後も、しばらく様子を見てから進むことが望ましいです。もしも蛇に噛まれた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
クモ
クモは、毒を持っている場合があります。遭遇した場合は、静かに慌てずにその場から離れましょう。クモに刺された場合は、刺された箇所を冷やします。もしも症状が悪化する場合は、医療機関を受診しましょう。
なお、これらの野生動物は自然の一部であることを覚えておきましょう。そのためにも、山を歩く際には尊重と注意を払うことが重要です。
ハイキングを楽しむポイントを紹介
ハイキングは、自然の中でリフレッシュする絶好の機会です。でも、初心者の方には、ハイキングを楽しむためのいくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、それらのポイントを紹介していきます。
コースの選び方
初心者のうちは、日帰りで行けて、体力的に無理のないコースを選ぶことが大切です。歩行時間は2~4時間程度、高低差200m以下のコースを選びましょう。
景色が良く、途中に休憩場所や売店、トイレなどがあるルートを選ぶと、より楽しめます。
また、季節によってもコースの難易度が変わる場合があります。とくに初心者のうちは、夏の熱中症の危険が少ない涼しい高原などがおすすめです。
体力の管理
日常から適度な運動を心がけておくと、よりハイキングが楽しめます。たとえば、通勤時に1駅前で電車を降りて歩いたり、エスカレーターやエレベーターを使わず階段を利用したりするなどが効果的です。
ハイキング当日は体調を良好に保ち、万が一体調に不安を感じたら、無理せず中止する判断も大切です。
適切なペースの見つけ方
ハイキングでは、段差や階段はゆっくりと一歩ずつ進むことが大切です。歩くときも、重心を前足ではなく後ろ足に残しながら、徐々に重心を移動するのがよいとされています。
ストックの使用も、疲れを軽減するのに役立つアイテムです。ストックを適切に使用することで、足への負担が減って疲れにくくなります。
おわりに
ハイキングは、自然を満喫しながら、心身の健康にもよいアクティビティです。ハイキングを十分に楽しむためにも、天気予報の確認、熱中症対策、野生動物との遭遇時の知識などは欠かせません。
また、初心者のうちは平坦なコースから始め、徐々に難度を高めていくことがおすすめです。
これらのポイントを押さえて、安全で楽しいハイキングを楽しみましょう。